塩について(微量ミネラル、サラリー、塩抜きの刑、ぬちまーす)

Health

 こんばんは。今回は私たちの身近にある「しお」について調べました。一人暮らしを始めた20代前半の頃、部屋の四隅に「盛り塩」をしました。特に誰に言われたわけではないですが、自然とそのようにしていました。海外に出るようになっても、ことあるごとに塩を盛ったり、撒いたりしていました。何となく効果があったような気はしています。ただ、塩について「お清めに使う」、「高血圧になる」くらいしか知らないと思い、今回塩の歴史や体への効果について調べてみました。

塩と日本人の能力、戦後の塩政策

戦前の日本人は米俵を何個も担いだり、少ない食事で長距離を走ったりと、超人的な能力を持っていたとされています。様々な要因がありますが、それまで日本人が口にしていた塩が一因と考えられているようです。

塩は古代から重要な役割を果たしており、ガンジーの塩の行進に見られるように、植民地支配下では塩の管理が非常に重要でした。また、江戸時代の「塩抜きの刑(※下で詳細を説明)」では、塩分を抜いた食事が心身を衰えさせる効果がありました。

戦後、GHQは日本の塩に関する法律を変更し、伝統的な塩作りを制限しました。その結果、1971年から1997年までの間、日本の塩は精製されたほぼナトリウムのみを含み、微量ミネラルがほとんど含まれていませんでした

微量ミネラルの重要性

  • 微量ミネラルとは
    微量ミネラルは、人体にとって少量しか必要ないものの、健康を維持するためには欠かせない重要な栄養素です。代表的な微量ミネラルには、鉄、亜鉛、銅、セレン、ヨウ素、マンガン、クロムなどがあります。
  • 欠乏症と健康問題
    これらが不足すると以下のような影響が身体におこります。
    • : 鉄欠乏性貧血
    • 亜鉛: 成長遅延、免疫力の低下
    • : 貧血、骨の脆弱化
    • セレン: 心筋症、免疫機能の低下
    • ヨウ素: 甲状腺腫、甲状腺機能低下
    • マンガン: 骨の異常、発達遅延
    • クロム: 血糖値の不安定、糖尿病リスク増加

「塩抜きの刑」の詳細

塩が人間の体にとって欠かせないものである為、江戸時代の拷問方法の一つに「塩抜きの刑」がありました。この方法では、塩分を含まない食事が与えられ、塩分不足によって筋力の低下、疲労感、倦怠感、さらには心臓機能の低下が引き起こされました。この拷問の目的は、自白を引き出すことや、精神的および肉体的な苦痛を与えることにありました。塩分が不足することで、体力と精神力が著しく低下し、被拷問者に対して強い苦痛がもたらされるのです。

岩塩と海塩の違い

また島国や大陸国などによって塩のでき方にも違いが生まれました。

  • 岩塩
    • 生成方法: 古代の海水が蒸発してできた塩の鉱床から採掘。
    • 成分: ナトリウム、塩素の他、鉄、カルシウム、マグネシウムなどを含む。
    • 味と用途: まろやかでミネラルの風味が感じられ、料理やバスソルトに使用。
  • 海塩
    • 生成方法: 海水を蒸発させて得る。
    • 成分: ナトリウム、塩素に加え、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルを含む。
    • 味と用途: 風味が豊かで、様々な料理に使用される。

歴史的な関連

塩の価値は古代において非常に高く、主に食物の保存や取引の基準として重要な役割を果たしていました。その重要性は、食物の保存に不可欠であり、また交易の際の交換手段としても用いられました。このような背景から、塩は経済的に貴重な資源とされていました。

さらに、塩の価値は現代の言葉にも影響を与えています。英語の「salary(給与)」という言葉は、ラテン語の「salarium」から派生しており、これは塩を購入するための手当を意味します。このことからも、塩の経済的価値と重要性が伺えます。

にがりの説明

また、海水を蒸発させて塩を作る過程で残る液体「にがり」は塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムなど、さまざまなミネラルが豊富に含まれています。

にがりの用途は多岐にわたります。食品添加物としては、豆腐の凝固剤として使用され、食品の質を向上させます。健康補助の面では、ミネラルが豊富であるため、健康に良いとされることが多いです。また、農業においては、肥料や土壌改良剤として利用され、作物の育成を助けます。

ミネラルを多く含む塩

上述してきたように塩にはミネラルが豊富に含まれている方が人体にとっては良いようです。ミネラルを多く含む塩を作っている会社さんの塩「ぬちまーす」の精製方法が興味深かったので、以下に書かせていただきました。

  1. 従来の製塩法の問題点
    • 煮釜式: 海水を煮て水分を気化し、塩分を結晶化する方法。
    • 欠点: 水分が完全に気化しないため、一部のミネラル(OIMs)は釜内の液体に溶けたまま残る。
    • 化学変化: 釜が熱くなりすぎると、OIMsが化学変化を起こし、栄養として使えない。
  2. 「ぬちまーす」の製造法
    • 常温瞬間空中結晶製塩法: 特許取得の製塩法。
    • 原理: 海水を微細霧にし、空気中で水分を気化させる。ミネラルが降り積もり塩になる。
    • 特徴: 26%以上がNaCl以外のミネラル。海のままのOIMsを保持。
  3. ぬちまーすの特性
    • ミネラル含有: 世界一のミネラル含有率(OIMsとして知られる)。
    • 健康効果: 胃腸の疲れにくさ、足のむくみの軽減、肌の潤い。
    • 用途: 一流アスリートにも愛され、さまざまな健康効果が期待される。
  4. 製塩法の革新
    • 微細霧発生機の使用: 既存の技術を活用して塩を製造。
    • 効率的: 100tの海水から3.5tの塩を製造。
    • 目的: OIMsを含む「海の結晶」を作り、ヒトの健康に役立てる。

OIMs(Ocean Ionized Minerals):海洋イオン化状態ミネラル群について

海洋イオン化状態ミネラル群(Ocean Ionized Minerals, OIMs)は、海水や海洋由来のミネラルを指します。これらのミネラルは、以下のような特徴があります:

  • イオン化状態: OIMsは、海洋から採取したミネラルがイオン化された形で存在します。イオン化状態は、ミネラルが水中で電気的に分解されている状態を指します。
  • 多様なミネラル含有: 海水には、多くのミネラルが微量含まれており、これらのミネラルがイオン化された状態でOIMsとして存在します。例えば、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれます。
  • 海洋由来: OIMsは海洋から直接抽出されることが多く、天然のミネラル源とされています。

おわりに

戦前の日本人は超人的な能力を持ち、塩がその一因と考えられているということはともて興味深かったです。また、江戸時代の「塩抜きの刑」では塩分不足が心身に悪影響を及ぼしすことや、「salary(給料)」の語源にもなっていることから、古代から価値があったと伺えました。

にがりはミネラルが豊富で食品添加物や農業に利用されており、近年ミネラル豊富な塩が注目され、健康効果が期待されていることの意味も理解できました。

私も頂き物で使っている塩があり、調べてみるとミネラルも豊富で「還元力」が強い特徴があるようでした。自分がどんなものをとっているか理解して日々の食事に生かしていくことは重要ですね。

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